「トリセツ」って?

「トリセツ」

「みんなで見守る葉山の子」で取り上げていた、「トリセツ」ってなんなのかしら?

取り扱い説明書と聞くとまるで物扱いと怪訝に思う方もあるかと思います。

今回この「トリセツ」を取り上げたのは、人が生きていくうえで大切な自分を大切な人と思えること。そして、自分の行動、思いを大切な仲間、大切な家族に理解してもらうこと、そして仲間、家族を理解し思いやること。自分が大切な人間であることを確認する手段であり、自分とは違う考え、感覚、文化の人々を理解する道具として使える有効なものだと思っているからです。

「みんなで見守る葉山の子」の中で「トリセツ」を中心に皆さんに自己理解、他者理解を促しながら発達の上で苦労して生きている子供たち、その子を取り巻く関係の方たちが理解し育て、育ちあいながら、自分の「トリセツ」を書くことが出来、気にしている子供の「トリセツ」を書くこと。このことにより優しい関係性が生まれ、「気にしているよ」のサインとしてのまなざしが増えることを願いお話しさせて頂きました。

人間関係作りにおける大切なこと

第一の関係 ワンネス(理解者)being in
第二に関係 ウィネス(味方) being for
第三の関係 アイネス(自己開示)being with

自分を理解してもらうにはその理解者と味方が必要です。そこで初めて自己開示が出来る人間関係が出来ます。今あるマタニティカード、ヘルプカードも理解者がいなければ無用の長物になってしまいます。

是非、ワンネス 相手の世界を相手の目で見る関りがもて、相手の内的世界を共有し相手の考えを、感情を、行動を理解してもらいたい。

そして、ウィネス 私はあなたの味方であるという関りがもて、相手の意思決定の過程を尊重しながら今の問題にどう対処するのかの手助けをしてもらいたい。

そこから、アイネス「私はこう思う、私はこう考える」という自己開示や自己主張が出来る関りを持っていただきたいと願っています。そのことにより、ルールをルールとして伝えることが出来ます。そこで初めて安心が生まれます。

どんな人たちの集まりであっても、その関係性の中で自分を大事に思い、相手も大事に思うことから様々な問題も解決に向かうものと思います。

今の世界が大変な状況にあります。そんな環境において不安に思っていることがある程度理解できるとしても、それぞれの立場、そして発達段階においても不安の感じ方はそれぞれ違っています。大人の不安の出し方と子供の出し方は全く違うものでしょう。そんな時、自分の「トリセツ」そして、子どもたちの「トリセツ」が書けることが大人社会の笑顔を作り出し、そして子供の笑顔を作っていってくれればと願っています。

まずは大人が深呼吸をし、自分は一人ではないこと、助けてくれる人はいることを信じ、こんな時だからできる、関係作りから始めましょう。

そのための一つとして「トリセツ」が生かされることがあれば幸いです。

2020年5月6日
KITAZAWA