#07 うみやま s c h o o l ( 下山口・星山 )
葉山町の下山口に星山という場所があるのをご存知でしょうか?
知る人ぞ知るこの場所で、老若男女問わず多世代で繋がることができる場所があります。
出会いもさまざま。それは人かもしれないし、植物かもしれない、虫かもしれない、
知らなかった自分に出会えるかもしれません。
それぞれの中にある、叶えたい思いを大切にしてくれるそんな場所があります。
今回は、星山で2024年の春から週一日の午前中フリースクールを開校した
「うみやまschool」代表今村直樹さんとむろき優理さんにお話を伺いました。
今村さんは、パートナーのゆりさんと共に現在、TIDE POOL(タイドプール)(学童型放課後スクール)の運営はじめ、様々なプログラムを山や海で提供し、多世代の方たちと一緒に自然に根ざした活動をされています。その傍ら、葉山町のお山で、ぽこぽこと湧き出るような特別な時間を生み出しています。
・ 発足のきっかけ ・
「もともと10年ほど前からフリースクールを作りたいという思いがあり、これまでも紆余曲折様々なチャレンジをしてきました。当初、海で活動しつつ山でも活動したいと探しているなか、葉山町下山口の水源地ほど近くの「星山」と出会いました」
そこで子どもたちが走り回るイメージ
「星山に立ったとき、そこで子どもたちが走り回るイメージが湧いてきたんです。 それから、コツコツと仲間とともに星山を切り開いてきたことが大元になります」
連携して子どもを支えていくことで、横のつながりの中で生まれてくる豊かさや学び
「実際にフリースクールを経営するとなると、相応の学費を頂かなくては運営することは難しい。けれど、教育・遊び・スポーツというものに対して、お金がないと出来ないのは違うんじゃないかと思い悩みつつ揺れ動いていました」
「学校を維持するための集客思考に疑問を持ち、本来もっと連携して子どもを支えていくことで、横のつながりの中で生まれてくる豊かさや学びを子どもたちと共有したいという思いがありました。そんな折、周囲からも「早く行きたいです。」「学校に行っていないので、早くに行けますか?」など問い合わせも以前より確実に増えたなか、「何か子どもたちを受け入れられるような、子どもたちがいられる場所が出来たらいいな」という気持ちも高まり。「自分で出来る範囲で、自分で出来ることから始めよう!」「毎日でなくても、週に一度午前中なら」と、うみやまschoolがスタートしました」
・ 運営する上で、大切にしていることは何ですか? ・
否定や排除ではない、理解や尊重
今村さん:「自分らしさ。自分っていうものを大切にしてくれる、されるっていう、そういう関係性なのかな。そこには理解や尊重があったりするし、否定とか排除ではない。安心していられる場。そこに尽きます」
子どもだけではなく、大人も・・・。
ゆりさん:「うみやまschoolが始まる前から、大人が開放されていないと、子どもだけ開放されるっていうことはないなと強く思っていました。
「どうすれば子どもの未来を豊かに支えられるのか?」と考えている大人はたくさんいるけれど、いま大人自身が疲弊していて、自信がなかったり窮屈さを感じていたりするということがリアルにあって……」
「色々な場面で見かけるシーンですが、星山に訪れるお母さんが自分の事を話し、安心して泣いたり笑ったり開放されてくると、それを見ていた子どもも安心して遊びはじめます。このうみやまschoolも、開校してからたくさん大人が来ます。大人もふらっと自由に来れて、その時の気分で自分らしくいられる。大人も子どもも正直で自由な心を持ってそこにいられるという雰囲気づくりを大事にしています」
・ どんな子どもたちが通っていますか? ・
「学校に行っていない・行けない子であったり、未就学児・たまに学校に行きたくない子などさまざまです。運営しているTIDE POOL(学童型放課後スクール)の子たちや保護者さん。TIDE POOLの卒業生たち。葉山、逗子、鎌倉、横須賀と多方面から訪れています」
・ 子どもたちにどのような変化が見られますか? ・
今村さん:「変化はとてもあります(笑)」
「最初は緊張しているけれど、いつの間にかほぐれてきて、気がつくとオープンな信頼関係を感じます。だんだんと彼ら自身で星山で過ごすということが出来てきて、何かを用意しなくても何かしようという動きになり、自分たちでクリエイトしていくっていう時間が増えていっています。そういう風になってくると、こちらが何か提供しなくちゃではなく、彼らが自分たちで学んでいる時間が多いので、ある程度のお題目は考えているけれど、それはそれでいいかって。こちらが用意したものをやらなくてもいいかって、気楽にみんな来るようになりましたね」
ワクワクするってエネルギー
「訪れる時間も様々で、早めに帰る人もいれば、ゆっくり帰る人もいる。 場に慣れてきて、場の使い方や遊び方とか、良い変化があります。「ワクワクするってエネルギーですよね!子どもたち、親もそうかもしれないですが、その活力というか人間的な根本的な力が復元されていくような感じで。そこから、『学校行ってみようかな?』とか『違うところへ行ってみようかな?』という風になっていける子も増えているんじゃないかなって気もします」
場でも人でも馴染みの関係が出来てくると、自分自身が映し出される
ゆりさん:「人なら、顔色を伺わないといけない相手とか、はたまた初めて行く場所で『ここどういうところなんだろう?』といった感じで、外側に意識を向けないといけない場なのか……」よりも、
「勝手知ったる森であそこに行けばあの木陰があるとか、焚き火をしようと思ったら乾いた枝はあそこにある、用を足すならあの影がいいとか、なんでもいいのだけれど、馴染みの場所でよく会ううちにその人や場のことがなんとなく分かって、馴染みの関係が人や場に出来てくると、自分自身が映し出されるようになるんじゃないかと思います」
「まぁ好きな人やものだけじゃないかもしれないけれど(^^)。そんな中で自分のコンディションも見えてきて、そういう風に自分が見えることはすごく大事。そういう場を持つことが大切なんじゃないかな?と思います。ワクワクして過ごしても良いし、自分が自分のままでいいと安心して居られると、疲れた自分にもちゃんと気づいてあげられるから」
・ 開校してから一年を振り返ってみて
苦労したことやチャレンジはありますか? ・
好きなこと、やりたいことだからつづけられる
ゆりさん:「苦労したことかぁ、苦労したことはあまりないです。やりたくてやっているのと、無理をしていない。むしろ楽しいかな。『火曜日何しようかな?』って『今日は誰も来ないねぇ〜、森の整備しとく?』と、そんなこんなしているうちに誰かしら来きてくれます。わらわらと(^^)」
未知数の出来事と出会いが生まれる場所
今村さん:「これがお金のことを考えていたら、とても苦労すると思うけれど。お金をかけずにやることによって生まれるものが何なのかということがチャレンジです。
見たことないものが生まれてくるから、見たことない関係性が生まれる。そうすると、『こんなことが起こるのか〜!』って今の年齢でも起こるんです。お金をとっていないからこそ、志を買ってくれる人たちが現れるというか、出会えています」
ゆりさん:「そういう意味では、お金を度外視してでもやりたいことがあるということは幸せなことだと思います。それこそ思いもよらない波及効果が起きているんです」
今村さん:「それはもう未知数で計算できない。何が起こるかわからない☆」
・ 今後の展望などを教えてください ・
連鎖して繋がる想い
今村さん:「私自身がこういったことを始めてから「俺もやりたい!」「私もやってみたい♪」と声が上がりだしました。」「それぞれがやれるものを持ち合い、出来る事が増えていきます。そうすることで自由に活動することが可能になっていけるんじゃないかと考えています」
「現在、こうして場を開いたことで色んなご縁が繋がり、みんなの心に火がつき、火曜日だけではなく、水曜日、木曜日とやりたい人が増えてきています。そんな感じにこれからも星山は「みんなのやりたいを叶える場」という思いのなかで育まれていきます」
「子どもだけではなく、今回のフリースクールを皮切りに、これからもそういう動きが生まれて行くだろうと想像しています」
・ うみやまschoolに通うことを検討している方へ、
メッセージをお願いします ・
今村さん、ゆりさん:
「気軽に来てください v(^^)v 興味があったら飛び込んできてください」
「自然の力を借りながら、自分の力を回復していきましょう」
うみやまschool Data
インスタグラム等でご連絡頂いてから来ていただけると当日スムーズに参加できます。
代表:今村 直樹
インスタグラム: https://www.instagram.com/umiyamahayama/?locale=ja_JP
HP URL: https://uminohoshi.jp/
所在地: 〒240-0116 神奈川県三浦郡葉山町下山口56