#03 HAYAMA KIDS DANCE CIRCLE

AYA SATO先生が主宰する、子どもを対象としたストリートダンス教室。
2021年9月現在、幼児から中高生まで約20人が在籍しています。
障がいの有無を問わず子どもたちを受け入れ、ダンスの道をひた走るAYA先生にお話を伺いました。

障がい者と共に過ごす時間が育んだAYA先生のインクルーシブな感覚

AYA先生の障がいを持つ方への接し方はとてもフラットです。これまでの経緯を教えてください。
「子どもの頃、たまたま幼稚園や学校のクラスの中に必ず一人、障がいを持つ子がいました。手が片方なかったり、立つことができなかったり。障がいがある方が不思議といつもそばにいる環境でした」
「ダンスを通じて障がいがある方と関わるようになったのは、ダンスの師匠が私を障がいのある方たちのサークルに連れて行ってくれてからです。行くまで知らされていなくて。最初はどうしていいかわかりませんでした」
「知的障がいのある子、自閉症、ダウン症、色んな子に出会いました。思い出深いのは、肢体不自由な子が通う特別支援学校でのアフリカンダンスです。ほとんどの子がストレッチャーや車椅子で移動するような状況。目も見えない、耳もほとんど聞こえない。初めての経験でしたが普通に進めました(笑)。付き添いの先生に後で尋ねたら、”楽しかったみたい。いつもよりまばたきの回数が多かったです”と。反応してくれていたんですね、面白いなと思いました」

 

ゆっくり手を掛ける。一緒にやると必ず伝わる

「自閉症の子ども向けのレッスンは難しいと言われていましたが、やってみたんです。進行はゆっくりで、3分くらいの振り付けを1ヶ月〜2ヶ月で覚えるのは難しかった。でも、好きなものを1年やるのはぜんぜんOKな子たちなので、同じ振り付けを繰り返して、私がお手本を見せなくても踊れるようになったんです。ゆっくり手を掛けて一緒にやると伝わるんだなと学ばせてもらいました」
「言葉が出ない子でも、3年くらいたってから”AYA先生”って話してくれたりするんですよ。子どもには変化がいっぱいあって、一緒に過ごすことでそういうことを一緒に体験できるのが楽しいです」
「小さい子のクラスを教えていて、泣いちゃったり、言うこと聞いてくれなかったり、うまくいかない時もあります。そんな時は、年上のクラスの子どもに相談するんです。そうすると、”私もあのくらいの時はそうだった”って教えてくれます」

外の世界を見るチャレンジをして未来を掴んでほしい

「私が専門学校で指導している中に、就職を決めて社会人になった子がいます。小・中学校は特別支援学級で、高校から普通学級へ行き、専門学校、就職へと進みました。いろんなチャレンジをしていけば、そういう未来を掴むケースもあるんだなと。保護者の方の理解やサポート、学校での対応もあってこそだとは思いますが、子どもたちには閉鎖的なところにいないで、ぜひ外の世界を見てほしいです」

音楽をかけていると勝手に子どもが踊り出す

「子どもの頃にダンスをしていた経験は、何かしらの場面で役に立つことがあるんじゃないかなと思っています。大きくなると色んな場面がありますよね、学校で踊ったり、人前で余興をしたり。一つのアイテムとしてダンスは使っていけるし、そうなってくれたら嬉しいです」
「やらされているダンスと、自発的なダンスは違うと思っていて、私は自発的なほうを伸ばしたい。教室で音楽かけておくと、子どもたちが勝手に踊っています。そういうのがすごくいいなと思うし、それが一番大事なことだと考えています」
「子どもが年齢を重ねていくうちに、自分からこういうふうに踊ってみたいという気持ちが芽生える時がある。そうするとダンスに対する取り組みの姿勢が目に見えて変わってくる。そう言う時が一番伸びるときです。その時が来る前に大人が押し付けると、ダンスに行きたくなくなってしまう。だからとにかく”楽しい”と思ってもらえるように心がけています」

子どもが自分のペースを掴むまで待つ。見学、大歓迎!

最後に、HAYAMA KIDS DANCE CIRCLEに初めて足を踏み入れる親御さんやお子さんに一言お願いします。
「一回ぜひ来てみてください。場所に慣れるのに時間がかかるお子さんもいるので、かなり臨機応変にやっています。遠慮しないで何回も見学しに来てください。今日は動かなかったけど、来週は体操に参加する、そういうスモールステップでも子どもは自分でペースを作っているのでしょう。私は待つのはぜんぜん平気です」

 

 

◯HAYAMA KIDS DANCE CIRCLE Data

プロフィール:
AYA SATO先生プロフィール
幼少の頃よりクラシックバレエを始め、15歳の頃にストリートダンスに出逢う。19歳にて単身ニューヨークに渡り、その後、アジア、ジャマイカ、アフリカなどに飛び、独自のスタイルを追求。現在は母国日本でダンサーとしてショーに出演しながら、専門学校やダンススタジオ、フィットネスクラブでのレッスンの他、障害児サークルでの指導や特別支援学校、老人福祉施設など色々な場所でレッスンを開催。心理学の勉強を4年間行なった後、教育学の勉強を行ないながら、分け隔てないダンスライフ普及を目指す。
活動日:
毎週金曜日
15:30〜16:20 幼児クラス【年中、年長、小学校1年生程度対象】
16:30~17:20 基礎クラス【小学1年生~3年生程度対象】
17:30~18:20 初級クラス【小学3年生~高学年程度対象】、他
場所:
ウンノビル4F(葉山町一色683-17)
ホームページ:
https://share-myworld.com
※葉山以外にも逗子や浦和美園などクラスあり